再帰性反射板、基礎知識
更新 2015年07月17日 - 安全対策
このブログでも何度か反射板について書いていますが、最近より詳しく調べてみました。ホントはライトも使ってほしいですが、リフレクタも有益な情報だと思いますので、シェアします。
日本はリフレクタ途上国のようです。帰宅ランナーは自分を守るためにの他、家族、とりわけお子さんや年配のご両親を夜の交通事故から守るため、眼を向けてみてください。知れば知るほど、高品質のものを付けて欲しくなります。
リフレクタの国際基準と日本の基準
夜の交通事故は、昼間の何倍もおこります。原因は、闇に人影が溶け込み、視認性が落ちるから。リフレクタはヨーロッパが早くからその有効性に気付き、規格を制定、使用者を増やすことで効果を上げています。
イギリスでは全新1年生に毎年配布し、既に5~16歳までの全ての子どもが反射材を持っているそうです。またスウェーデン交通局によると「反射材の非着用歩行者の死亡事故は、着用者の10倍以上」。
以後、ヨーロッパの規格を参考にアメリカをはじめカナダ、オーストラリア・中国……で「高視認性安全服」が規格化されています。この流れを受け国際基準が制定され、それに基づいて日本でも制定の動きがあるそうです。
現状日本では白い紙と変わらないリフレクターも販売されています。身につけるなら、良質のものを選びたいものです。
高視認性安全服・アクセサリー制定の流れ
ヨーロッパ | EN 471 | 1994年制定。2003年に改訂。防護服の中の高視認衣料の規格。警察官、ゴミ収集作業員、交通誘導員、工事作業員など路上で業務を行うプロフェッショナルの安全服規格。職場の危険度に応じて、3クラスに分けられています。 |
ヨーロッパ | EN 1150 | ノンプロフェッショナルの規格。個人の野外活動を想定。高視認性安全ベスト。 |
ヨーロッパ | EN 13356 | 高視認アクセサリーの規格 |
アメリカ | ANSI 1107 | 上記を参考に制定。 |
国際基準 | ISO 2047 | 2013年3月。上記流れを受けて制定 |
日本 | Jis 健闘中 | 現在委員会で頑張っています。 |
高視認性安全服、ヨーロッパ規格の内容
規定 | 保護対象 | |
3クラス | 赤・オレンジ・黄色の蛍光生地0.8平方メートル以上 再帰反射材0.2平方メートル以上あらゆる体の動きに対応させるため、蛍光素材と再帰性反射材を腕および足の部分にも使用する。 |
保護すべき度合いが最も高い |
2クラス | 赤・オレンジ・黄色の蛍光生地0.5平方メートル以上 再帰反射材0.13平方メートル以上胴体の視認性が主 |
保護すべき度合いが中程度 |
1クラス | 赤・オレンジ・黄色の蛍光生地0.14平方メートル以上再帰反射材0.1平方メートル以上 または、 赤・オレンジ・黄色の蛍光生地と再帰反射材の合計が0.2平方メートル以上風景にとけこまないような視認性が必要 |
保護すべき度合いが低い |
再帰反射材は、反射率:400cd~450cd/(1×㎡)視認距離80m~100m以上の物
テストをクリアしたものは、商品がすべてのEU加盟国の基準を満たすものに付けられるマークであるCEマークと、En471などのマークが製品パッケージについていることがあります。目安にしてください。
反射材は洗濯や光により、劣化しますので、古くなったら取り換えるようにしてください。
関連リンク
- 安心・安全をお届けします。
http://www.friends-medic.co.jp/product.html
上記規格を満たす製品を、販売されています。簡単にいうと、写真で上記規格製品が見れますので、直感的にどのようなものなのかが、わかりやすいです。 - 高視認性安全服、クラスについて
http://www.toyo-bussan.co.jp/business/uniform/hi-vis.html
アクセサリー の規格
人が、衣類などに取り付け、または携えるための高視認アクセサリーとして指定された規格です。アクセサリーは、表面積と反射に関するスタンダードの規定の両方を満たしている必要があります。
規格の要件を満たしている高視認アクセサリーは、夜間ドライバーが車のヘッドライトをてらすことにより、目視によって着用者の存在が明らかなり着用者の危険を回避させるためのものです。
明るいリフレクタ、または、暗いが表面積の大きいリフレクタを使用しましょう。大事なことは、どの程度離れた所から視認できるか、どの方向を向いているかです。
帰宅ランナーのリフレクタで基準を満たすなら、アクセサリーだと思います。EN 1150の個人向け規格であるベストも可能ですが、これまでに私は1人も使用者を見たことがありません。ベストは帰宅ランにはかさばるので、物理的に無理な人も多いと思います。
タイプ1 | 吊り下げるタイプ ストラップ・キーホルダータイプなど |
両面15 sq cmから50 sq cmの表面積が必要になります。 |
タイプ2 | 取り外し可能なアクセサリー スラップラップ・ソフトバンドなど |
15 sq cmを超える表面積 |
タイプ3 | 取り付けるアクセサリー ステッカーなど |
15 sq cmを超える表面積 |
アマゾンリンク
- ヨーロッパ生まれのアクセサリで、日本でも購入可能なものもあります。ヨーロッパ生まれですが、「日本の住友3M スコッチライト」を使用して作られています。他にもデザインが豊富にありますので、気になる方は、是非覗いてみてください。白・黄色・オレンジ・赤の物をお勧めします。グリミスはヨーロッパ規格(EN13356)に準拠して作られ、CEマークを取得している交通安全グッズです。
反射材の色と明るさ
反射材の色は、白が一番良く反射します。ただし、良く反射し明るいから一番認めて貰いやすいかというとそうではありません。白に輝きは負けても赤は危険、黄色は注意という色の特性が人目を引き、白よりも赤や黄色の方が注意を向けられやすいという色の特性があります。
帰宅ランナーは歩行者なので、反射板を付ける義務はなく、好きなのを付けても法律違反ではありません。自転車を含む軽車両の場合には、リフレクターも法律や条例で装着することや色が指定されています。
前面には白・黄色、後面には赤またはオレンジという指定があります。前面に赤をもってくるとダメってことなので、歩行者であるわれわれ帰宅ランナーも可能なら合わせた方が、事故になりにくいのではないかと思います。赤は尾灯という共通認識がドライバーにはありますので。
私なんかはとろとろジョギングしているので、歩行者と変わらない速度ですが、颯爽と3歩くらいで追い抜いていく早い人もいますので、軽車両に準じた方が安全かなという感覚ですね。まして、歩行者は右側を歩く事になっているので、対向車には向かってくるという事がわかりやすいのではないかと思います。
関連リンク
- 反射材大学 ~反射材の豆知識~
http://www.an-zen.co.jp/college/index.php
教養課程・研究過程。リフレクタの構造・車からの視点など、多岐にわたって紹介 - 子供のつなぎには必需の「リフレクター」
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2011226573
スエーデン在住の山本さんのブログより、リフレクター事情。スウェーデンで売っている子供用のつなぎの多くに縫い付けられています。
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